用途制限について
土地には用途地域が定められており、定められた用途の範囲内の建物しか建築できません。
例えば、芦屋の高級住宅地内に、コンビニの店舗を建てることは、できません。
これは、芦屋の住宅地内には、店舗を建築できないという用途の制限があるためです。
また、工場を建築するために土地を取得したところ、
場所によっては、用途制限に引っ掛かり、
工場部分の面積の縮小を余儀なくされたり、
または、工場そのものが建てることができなくなったりします。
用途制限を調べよう
〇用途制限は、市役所で調べます。市町村によっては、市町村のホームページで調べる事ができます。
〇用途制限は、12種類の用途地域によって、その制限を定めています。
12種類の用途地域は、
第1種低層住居専用、第2種低層住居専用、第1種中高層住居専用、第2種中高層住居専用、
第1種住居、第2種住居、準住居、
近隣商業、商業、
準工業、工業、工業専用
に分かれます。
〇用途地域のイメージをつかむため、京都市のホームページを紹介します。
大阪市内に第1種低層住居専用地域はない
〇低層住居専用地域とは、建物の高さが10mまたは12mに制限されているので、3階階建てまでの建物に制限されています。
また、隣地境界線から1.5mまたは1m離れて建物を建てなければなりません。
建物の用途は、住宅や老人ホーム、小学校や診療所などに限られており、
工場やカラオケ店などは建てられません。
〇郊外の良好な住環境の整った街並みのための制限なので、
古くから都市化が進み、住宅が密集した大阪市内に、
低層住居専用地域はありません。
大阪市内中心部は、商業地域
〇大阪市内中心部は、ほとんどが商業地域です。谷町筋の東側は住居地域が多いですが、谷町筋の西側からなにわ筋あたりまでは、
商業地域が広がっています。
商業地域は建築上の制限が緩く、高い商業ビルやタワーマンションが建っています。
店舗の制限もほとんどないので、いろいろなお店が営業できます。
市内周辺に広がる工業地域
〇工業専用地域は工場立地のための地域で、住宅は建てられません。制限が広く、飲食店などの店舗も建てられません。
臨海部にひろっがている広い工場の地域です。
〇準工業地域は、中小企業の町工場が広がっている地域です。
住宅とお店と工場が混在している地域で、制限が非常に緩い地域です。
大阪の場合、臨海部工業専用地域の外側や
大阪環状線の外側の町工場の地域に広がっています。
用途制限と住宅選び
隣の駐車場に工場が建つかも
〇わたしが購入した住宅の隣は、広い駐車場があり、静かな環境だと思っていました。ところが、建物の工事が始まり、工場が建てられました。
その後、頻繁に車両が出入りし、工場の騒音も騒がしくなりました。
工場主に抗議をしましたが取り合ってくれません。
よくよく調べてみると、私の土地は、用途地域が準工業地域となっており、
隣に工場が建っても文句のいえない土地でした。
ということが起こらないように、用途地域をよく調べてください。
静かな住環境が望みであれば、隣接地を含めて、周辺の用途地域が、
住居地域になっているか、どうかの確認が必要です。
見た目の環境が静かそうだからと言って、
将来も静かな住環境が確保されるわけではありません。